2026年1月16日

音声でAIの能力を引き出す

AIが急速に進化する一方で、私たちの日常には”コンテキスト不足”という根本的な問題があります。植物に興味を持った瞬間、食べた料理の背景を知りたくなった瞬間──本来ならAIにすぐ質問できるはずなのに、テキスト入力は面倒で、入力量も非常に限られています。音声ならはるかに多くの情報を、疲れず、自然にAIへ渡せるため、これからのAI活用は音声インターフェースが中心になります。

しかし現状では、録音ファイルの文字起こしという基本的な部分がまだ十分に解決されていません。会議のリアルタイム文字起こしは一般化していますが、スマホでとっさに録音した長い音声は、処理に時間がかかったり、録音だけ有料になるなど不自然な制約が残っています。つまり、もっとも日常的に使われる”録音データ”をAIにつなぐための導線が未整備のままなのです。

そこでNikkeは、録音の文字起こしを徹底的に高速化し、1時間の音声をわずか30秒で処理できる仕組みを実現しました。これは一般的な文字起こしサービスと比べて約6倍のスピードに相当します。一瞬の録音をすぐAIに渡せることで、ユーザーはその場の体験・疑問・思考を余さずAIに入力でき、インプットそのものの密度が劇的に高まります。

結果として、AIはより豊富で生きたコンテキストを受け取れるようになり、返ってくる知識や洞察の質は大きく向上します。そもそも、どれだけ音声として情報を渡せるかが、AIから引き出せる知能の量と質を決定づけるため、録音文字起こしの高速化と最適化はAI活用の本丸と言えます。Nikkeでは、この未解決の細かな課題を一つずつ解消し、音声からAI活用までの距離を最短にする仕組みをつくっています。

この考え方は、企業のDX推進にも直結します。社内会議や顧客との商談、現場でのヒアリングなど、日々生まれる膨大な音声データをすばやくテキスト化し、AIに渡せる状態にすることで、ナレッジの蓄積・共有・分析が飛躍的に効率化します。音声という最も自然で豊富な情報源を活かすことが、これからの企業競争力を左右する重要な鍵となるでしょう。